1985年 アメリカ映画 ピーター・ウィアー監督 (Witness)
オーストラリア出身のピーター・ウィアー監督を一躍有名にした、 ハリソン・フォード主演の一作。確か新宿の映画館で観たはず。 当時すでに大スターであったハリソンが扮する刑事が主人公の サスペンスものかと、誰もが予想した。
映し出されるのは薄紫色の空、低くそよぐ草、 黒い帽子と黒い服の村人たち。 え?現代劇じゃないの?と感じるすべり出し。 文明から離れ、質素な生活を極める アーミッシュと呼ばれる人々の物語であるとわかってくる。
本作において”天才子役”と謳われた ルーカス・ハースの大きな瞳が忘れられない。 ストイックな生活を営むアーミッシュの少年が、目撃者となる瞬間!
そして本作には、ハリウッド映画史上で もっともセンシャルなキス・シーンも待ち受けている。 これほど官能的なキス・シーンはほかにないと、美加は今でも信じている。 アクロバティックなベッド・シーンを好む ハリウッドに叩きつけた、ウィアー監督の一撃!
ミステリアスな幻想譚『ピクニック・アット・ハンギングロック』(’75)を
日本公開時(1986年)に観て以来、ウィアー作品に魅せられてきた。
あたかも神の視線を感じさせるような演出は、
時代を経てなお、観客の感性に響きつづけるに違いない。
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