1927年イギリス映画アルフレッド・ヒッチコック監督
(The Lodger)
いきなり、金切り声を上げている、 ブロンド女性の恐怖のクロース・アップ! 続いて遺体発見者らしき老女の目をむいた顔、 騒ぎに紛れる人々の顔、顔、顔。
被害者の顔のみならず、 全ての人々がメイクにより、 異様な面差しに見える。 コワくない顔の人を探すことが無駄に感じられる滑り出し。 ヒッチコック、イギリス時代の極めて初期の作品である。 霧深いロンドンの町に起こる連続ブロンド美女殺人事件。 とある下宿屋の高齢の父母と、美しい娘デイジー、 入り浸っているオカボレらしき刑事のジョー、 そして現われる、端正な顔立ちの謎めいた下宿人・・・
ヒッチ作品は40作くらいは観たかな? ”ウ”の項ではハリウッド時代の『裏窓』(’54)を紹介したが、 今回ひも解いてみると、イギリス時代の作品が予想外に多いことを再認識。
謎の下宿人が二階を歩きまわる足音が響き、 階下にいるデイジーたちが、天井を見あげると、 天井が透けて、下宿人の脚や靴の裏が見えるショットが斬新。 イマジネイションを視覚化したショット。 なんといっても95年まえの映画だからねえ!
自作に必ずカメオ出演することが有名であったヒッチコック。 本作ではわりと長く映っているかと思ったが、あの人物で合っているのかな?
親しくさせていただいてる
活動弁士の第一人者・澤登翠氏に確認してみたくなる・・・!
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