2005年 アメリカ映画 ポール・ハギス監督
(Crash)
群像劇に挑むひとは果敢。 今は亡きロバート・アルトマンはその名手であったと信じるが、 一筋縄では極められないジャンル。 ”ウ”の項でアルトマン作品『ウエディング』(’78)を参照して貰えると嬉しい。
ポール・ハギスはチャレンジングな監督デビュー作『クラッシュ』で、 オスカー(作品・脚本)を獲得した。 前年にクリント・イーストウッド監督・主演作『ミリオンダラー・ベイビー』の脚色により、 オスカー・ノミニーとなり、本作で花ひらいたという感。
舞台となるのは、クリスマスが近づいたロスアンジェルス。 マット・ディロン、サンドラ・ブロック、ドン・チードル、テレンス・ハワードなど 主演級のスターから、渋い脇役陣まで、 人種の異なる14名の主要キャストが存在感を競う。
人と人が衝突(Crash)しあうことが少ない大都会に於いて、 ひとつの出来事が連鎖反応のように、人と人を愛憎で繋いでゆく。
観おわったあと、ビールを飲みながら、
ああだこうだと話が出来る映画が好き。
互いの記憶を探り合いながら、
共犯意識のような絆が生まれる、そんな力作である。
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