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No.168『ギルダ』

更新日:2023年4月23日

1946年 アメリカ映画 チャールズ・ヴィドア監督 (Gilda)

波打つ髪を振りあげて、現われるギルダ。 映画史上に刻まれた”ファム・ファタル”である。 然し、このシーンはまだ先。ちょっと巻き戻そう。

戦後まもないアルゼンチンの裏町。 デフォルメされたサイコロが画面の奥から転がってくる。 このファースト・ショット、観なおしてみると、ぎょぎょっと笑える。 目つきの鋭い流れ者のジョニーに扮するのは、グレン・フォード。 ジョニーを救い、腹心にする仕込み杖のボスに扮するのは、 ジョージ・マクレディ。 祖国を捨てた男、謎めいた美女、そして、トライアングルの愛憎。 ”カ”の項で紹介した『カサブランカ』と要素は重なるが、 とんでもなく違うのが、ヒロイン!

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リタ・ヘイワースが扮したギルダは、 『カサブランカ』のイングリッド・バーグマンのように、 涙を湛えた瞳で男の情を煽ったりはしない。 セクシーなドレスに身を包み、数々の男たちと寄り添って踊り、 挙句の果てはステージで歌い、踊る! 終盤近くに、黒のドレスで客たちを挑発し、 シルクの手袋やネックレスをはずして投げるシーンは圧巻!

本作でギルダが歌った”Put the Blame on Mame”は、 スタンダード・ナンバーとまではいかないが、 映画ファンの心に残り、カヴァー・ヴァージョンもある。 そうそう、『カサブランカ』の項でも触れた、 今は亡き恩人の大滝譲司氏から「美加も歌ったらどうだ?」と 言われたこともあるが、手をつけないままにいる。

リタ・ヘイワースはシナトラと共演した 『夜の豹』(57)でも歌って踊るシーンがあったが、 本作ともに歌は吹き替え。 それでも、妖艶な振付は本人がこなしたのだから、たいしたもの。 彼女の姿にいっときの憂さを忘れた男たちは、 全盛期の1940年代だけではない。 フランク・ダラボン監督作『ショーシャンクの空に』(’94)での フィーチュアにより脈々と続いているはずである。

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