1953年 フランス映画 アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督
(La Salaire de la Peur)
ヴェネズエラの場末。食い詰めた男たち。油田の火災。 大量のニトログリセリンを運ぶ仕事。 命がけの俄か仕事を得た4人の男たちを待ち受ける、数々の試練。 初めて観たときは、 あまりにハラハラドキドキで目を覆いたくなったっけ・・・
英語、フランス語、スペイン語、さまざまな言語が飛び交う。 ヨーロッパからの出稼ぎ者が多いのだ。 臨場感ある多言語のやりとり。主演のイヴ・モンタン扮するマリオは パリでの想い出をメトロの切符に込めているロマンティストでありながら、 生き抜くためにタフでもあらねばならない。優しさと冷酷さを併せ持ち、 掴みにくいキャラクター。
マリオと意気投合するジョーに扮する シャルル・ヴァネルの大熱演には兜を脱ぐ。 60歳を過ぎた太目の体でアクションの連続、 油まみれになったり、トラックを追って走ったり!
人生は神のゲームかと愕然とする結末。
汗と油のにおいが充満する男のドラマに一輪の花を添えたのは、
マリオに愛を捧げる酒場女に扮したヴェラ・クルーゾー。
監督夫人でもあったエキゾティック・ビューティである。
Comentários