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No.153『籠の中の乙女』

更新日:2023年4月24日

2009年 ギリシャ映画 ヨルゴス・ランティモス監督 (Dogtooth)

ギリシャ映画といえば、長年テオ・アンゲロプロス作品群に注目してきた。 来日の記者会見では果敢にも質問した。 ”長回しの巨匠”よろしく答えも長く、1時間の会見中、 美加の質問を含む五つの質問にしか答えなかったっけ・・・(笑)

アンゲロプロスの他界と前後し、本作で注目されたのが1973年アテネ生まれの ヨルゴス・ランティモス。 ミニマルな室内劇を想わせる本作、本質はきわめて性的な物語。 クロース・アップを多用しながら、人間の強靭な性癖を不必要なまでに見せつける。

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広大な敷地内の邸宅に暮らす年配の両親と、 20代とおぼしき長女・次女・長男の五人家族。芝生のひろがる庭、大きなプール。 然し、まわりには高い塀が立ち塞がり、三人の姉弟は外界に出る様子はない。 両親は我が子たちに、人と人との繋がりかた、言葉の真の意味を教えない。 毒をもって毒を制したい両親と、それゆえ奇妙で幼稚な姉弟。 さて、この一家の行く末は?

親は我が子を思い通りには出来ない。 噓で固めた神話も、ちいさな綻びで引き裂かれる。

シナトラがカウント・ベイシー楽団で歌う ”Fly Me To The Moon”が思わぬシーンで使われ、驚いた。 オリヴァー・ストーン作品『ウォール街』、 クリント・イーストウッド作品『スペース・カウボーイ』ほか、、 数々の映画作品に引用された名ヴァージョンだが、 最もおさまりの悪い使われかたかなあ!

ランティモス監督はこの後も、痒いところに手の届かない不条理劇を作ってゆく。 原点をご覧あれ。

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