1942年 アメリカ映画 マイケル・カーティス監督
(Cassablanca)
我が恩人のひとりである 今は亡きジャズ評論家・プロデューサーの大滝譲司氏から、 こんなクイズを出されたことがある。 「美加、『カサブランカ』で”As Time Goes By”が流れるまでに、 何曲ジャズソングが使われたか知ってるか?」 まだ20代であったし、本作も一回しか観ていなかったから、 咄嗟に答えられなかったっけ・・・
ハンフリー・ボガート扮するリックが経営するカフェにカメラが入っていくと、 ピアニストのサムの弾き語りが聞こえてくる。 まずは”It Had to be You”我がレパートリー。次に”SHINE”替え歌かな? 昔、母マーサが歌っていたものと歌詞が違う。 そして、”The Very Thought of You”こちらも我がレパートリー。 えーと、これは”Put on a Happy Face”かな?ピアノだけで歌無し、 台詞がかぶってくると確証しにくい。 一曲とばして、あ、これは”Heaven can Wait”だな! やっと、イングリッド・バーグマン登場。サムに「あの曲を弾いて」とひとこと。 リックに止められているサムは、まずは”AVALON”を弾いてごまかす。 そして、いよいよ、”As Time Goes By”を歌い出す、 というわけ。促すバーグマンの拙いハミングがかわいい。 トライアングルのラヴ・ストーリーを時世の色に浸し、 ドラマティックに盛り上げた、永遠のシネマ・クラシック。
”As Time Goes By”をステージで何回くらい歌っただろうか。
とても数えきれない。
歌うたびに、バーグマンのうるんだ瞳と、ボギーのシニカルな表情が脳裏をよぎる。
さて、クイズ。高瀬鎭夫氏の名訳「君の瞳に乾杯!」
(Here’s looking at you,kid!)、
この台詞をボギーはいったい何回言うでしょう?
女としては、一度でいいから言われてみたい台詞よね!
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