1961年 アメリカ・イギリス合作映画 ジャック・クレイトン監督
(The Innocents)
闇に浮かぶデボラ・カーの大きな瞳に狂気が宿る。 いったい、何を信じればいい? 本作を初めて観たときの怖さを、どう表現すればいいのだろう。 1980年代に観たことは確かであり、自筆のメモやイラストが残っている。
長年こころに引っかかり続けていた一作を、久々に観なおした。 ヘンリー・ジェイムスが1898年に発表した 小説『ねじの回転』の映画化である。
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イギリスの片田舎に在る古い屋敷に、 デボラ・カー扮する、貞淑な牧師の娘ミス・ギデンスが、家庭教師としてやってくる。 離れて暮らす裕福な紳士の依頼により、彼の甥・姪である幼い兄妹の教育を任されたのである。
次第に見え隠れする不穏な蠢き。天使が悪魔に見える瞬間。
そして、未婚の美人教師の知らない、爛れた官能の世界への扉。
美貌とはいえ、当時40歳に近かったデボラ・カーが
この役を演じた点が興味深い。
彼女のキャリアのなかでも、かなり異色な役であったはず。
ヒッチコック作品『レベッカ』(’40)とも響き合う、
後のゴシック・ホラーに大きな影響を与えた一作。
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