2009年 イラン映画 アスガー・ファルハディ監督
(About Elly)
今や世界中の映画ファンが新作を待つ、 イランのアスガー・ファルハディ監督を初めて知ったのは本作。 ヒッチコキアン、イランにもありか?と気をそそられた。
親しい仲間で過ごす海辺の休暇に、 たったひとり加わった、美しく聡明な新顔の女性エリ。 彼女を誘った、旅行の幹事でもある主婦セピデーさえ、 ”エリ”という名前しか知らないまま、思わぬ事件が勃発する。
思わせぶりに進む物語。 でもでも、こういうシテュエイションて無くはないから、 登場人物たちのうろたえる姿が伝わってくる。 台詞に被さる大きな波の音、 海辺でもチャドルを纏う女性たちが醸す開放感のない雰囲気、 不安感は加速してゆく。 10年以上を経て観なおし、
舞台劇に応用できる脚本と気づく。 それにしてもこの波の音、十二分に活用したなあ・・・
今回、興味深く観なおしたのは、 事件が起きるまえのジェスチュア・ゲームのシーン。
ファルハディは本作のあと、 『別離』(2012)でアカデミー外国語映画賞を受賞、 世界的に注目されることとなる。 原点とも呼べる本作、ぜひご覧あれ!
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