No.140『隠し砦の三悪人』
更新日:4月25日
1958年 日本映画 黒澤明監督
究極の凸凹コンビが山道を行く。いきなり画面右手から、ざんばら髪で 血まみれの侍が割り込んでくる! いやあ、この冒頭はいくら観ても度肝を抜かれる。 血まみれ侍の加藤武の形相が凄まじいのである。
なんでも加藤武氏は、このシーンで追っ手の馬に蹴られたり、散々だったらしい。 我がパートナーがご本人のインタヴューで観たそう。 ”クロサワ”の髷物は役者も命がけ!


我がパートナーはサガンの恋のさや当てでは”Golden Slumber”に突入するが、 黒澤の時代物では解説までしてくれる。 のちにC-3PO&R2-D2に変貌する凸凹コンビだけでなく、勇ましの雪姫もご贔屓らしい。

黒澤初のシネマスコープ作品であり、とにかくカメラワークが迫力満点、 いま観ても斬新と思えるショット満載、63年まえの作品と思うと只々、感無量。
戦国時代を舞台に敗国の侍大将が世継ぎの雪姫と軍用金を守りながら、 二人の百姓(凸凹コンビ)を従えて敵中突破をめざす冒険活劇。
大将役の三船敏郎の馬上の合戦、雪姫役で映画デビューした 上原美佐(’37生)のアテナの如き佇まい、脇の名優、千秋実と藤原釜足のコンビ、 色褪せない傑作である。
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