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No.139『悲しみよこんにちは』

執筆者の写真: 大橋美加大橋美加

更新日:2023年4月25日

1958年 アメリカ・イギリス合作映画 オットー・プレミンジャー監督 (Bonjour Tristesse)


青い花びらが涙になりこぼれ落ちる、 ソール・バスのタイトルが忘れられない。 セシール・カットのジーン・セバーグの悲痛な泣き顔とともに・・・

フランソワーズ・サガンの原作は高校生のときに読んだっけ。 親の世代である彼女が、とても身近に感じられた。 サガンの友人であったというジュリエット・グレコが テーマソングを歌い、 空虚な顔のセシールの現在が映し出される。 モノクロームの世界、そう、パートカラーというべきか、 その逆というべきか。

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スノッブな暮らしを送る、父と娘。 デイヴィッド・ニーヴン扮するやもめの父はプレイボーイ。 父親の若い愛人とも仲良く共存するセシール、屈折していないはずがない。

今回、観なおし、ファースト・ロールはデボラ・カーだったんだなあと再認識。 当時、大スターであるし、堂々たる美貌。 でもでもやはり、本作の主人公はセシールに扮した18歳のジーン・セバーグだろう。

若さの酷さを一身に引きうけ、紺碧の海を背に、今でも輝き続けている!

ジーンはこの後、ゴダールの『勝手にしやがれ』(’59)に於いて、 映画ファンにとって永遠の存在になり、40歳での死に向かっていった。 サガンのセシールを具現化した本作、決してけっして、忘れるものか。


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