1962年 アメリカ映画 ジョン・フランケンハイマー監督
(The Manchurian Candidate )
フランク・シナトラのアルバムはたくさん持っているし、 ラジオ番組”美加のNice’N’Easyタイム”でも、折節にオンエアしている。 一度だけ御目文字させていただき、 あの”BLUE EYES”に吸い込まれた幸福な経験も持っている。 映画作品も殆ど観ているが、本作は異色作と呼べるのではないかな。
朝鮮戦争で捕虜となった、シナトラ扮するマーコ大尉率いる小隊に見舞われた 運命が解明されていくストーリー。 黒白映画ゆえ、”BLUE EYES”には吸い込まれずに済むが、 ショウ軍曹に扮したセカンド・ロールのローレンス・ハーヴェイともに クロース・アップを多用し、観客の神経を鈍らせる。 帰国後に悪夢に苛まれるマーコ、ショウほか隊員たち。 果たして悪夢の正体は・・・?
悪夢のシーンを初めて観たときは啞然とした。 映画を観なれていると自負する身だが、理解するのに数十秒かかった。 紫陽花の育て方を解説する着飾った有閑マダムがショウ軍曹に訊く。 「殺人の経験はおあり?」このシーンだけでも、本作は観る価値あり!
127分と長めだが、ジャネット・リーやレスリー・パリッシュが 美貌をちらつかせ飽きさせない。 そして、怖さの締めくくりは、アンジェラ・ランズベリー扮するショウの母親。 なんと実年齢でハーヴェイと3歳差!老け役女優の底力! リメイク『クライシス・オヴ・アメリカ』(2004)では メリル・ストリープが堂々演じきった役。 こちらは脇に美女こそ出てこないが、ちなみにマーコ役はデンゼル・ワシントン、 観くらべてみるのも一興かも。
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