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No.112『女が階段を上る時』

更新日:2023年5月4日

1960年 日本映画 成瀬巳喜男監督

コロナ禍となり、”夜の街”が槍玉に上げられたとき、 本作を観なおした。今回また、観なおしたことになる。 高峰秀子が扮する圭子は、銀座のバーの雇われママである。 体を張って成功を目論むホステスたちのなか、 ”身の固い”ことで有名な佳人。 亡くなった夫を想いながらも、貧しい実家のためもあり、 水商売を続けている健気なヒロイン。

黒白映像が美しい。 凹凸の少ない日本人の顔を引き立てる。 脇を固める団令子、淡路恵子も適役。 成瀬&高峰コラボ作品は”ウ”の項で『浮雲』(’55)を紹介したが、 本作のほうが、親しみがある。 二十歳そこそこで、銀座のクラブで歌っていたとき、 ママやホステスさんたちに親切にして貰ったからか。 彼女たちの苦労は到底わからなかったけれど・・・

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本作は、人の好い三枚目がお似合いの加東大介に 思い切った役柄を負わせ、物語を弛ませない。 圭子に想いを寄せるバーテンダーの仲代達矢、 常客の森雅之が男の花を添える。 そう、この時代に”女”の映画を撮り、 男に花を添えさせたのは、成瀬だけではないか。

成瀬に苦しめられたヒロインは、さらに美しさを増してゆく。 倖せから引き離されながら、強く美しくなってゆくのだ。

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