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No.110『鬼火』

更新日:2023年5月4日

1963年 フランス映画

ルイ・マル監督 (Le Feu Follet)


女の顔のクロース・アップ。甘い匂いのない肌。 男の顔のクロース・アップ。鬼のような眼。 体を重ねたばかりとわかる男女に、 エリック・サティが雫のように降ってくる。

本作を観たのは20代であったはず。 ルイ・マル監督作の特集が名画座で組まれ全てを鑑賞したが、 本作『鬼火』には閉口した。 映像美には浸ったが、いまひとつ理解できなかったのである。 はりつめた場面を、サティのピアノ曲がほどく。 唐突にサティが流れると、映画館にいることに気づく。

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鏡に日付が書いてある。モーリス・ロネ扮する主人公は、 死に魅入られ、その日に自殺するらしい。 アルコール依存症を克服し、街に戻ってきたこの男は、 昔の友人たちを訪ねて歩く。 マルの名を世界に知らしめた『死刑台のエレベーター』(’58)で ロネと共演したジャンヌ・モローも客演的な役どころで顔を見せる。 主人公は救われるのか?果たして彼にとっての救いとは? 今回、30年以上を経て観かえしたが、 やはり、主人公が理解できなかった。 そんな自分に安心する。

『死刑台のエレベーター』に於けるマイルス・デイヴィス、 『好奇心』(’71)でのチャーリー・パーカーなど、 ルイ・マルはジャズを活かした作品をもつ映画作家。 洗練された作風とともに、今もってファンは多い。 ヌーヴェル・ヴァーグの時代に生きた、 クラシカルなテイストも魅力の作品群に耽溺して欲しい。


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