top of page

No.103『女相続人』

更新日:2023年5月4日

1949年アメリカ映画 ウイリアム・ワイラー監督 (The Heiress)

モノクロームの画面に映し出される、細密な刺繍作品。 テーマソングが流れ、はっとする。 ジョーン・バエズの歌った 『愛の喜び』(Joys of Love)の原曲である。 歌詞を想い浮かべると、 これから始まる物語の行く末が不安になってくる。

舞台は1849年、ニューヨーク ワシントン・スクエア。 裕福な医師である父と、一人娘のキャサリンが暮らす屋敷。 二十歳という設定のキャサリンに扮するのは、 当時32~33歳であったオリヴィア・デ・ハヴィランド。 既に一時の母であった。 刺繍ばかりしている内気なキャサリンを、 冷徹な眼差しで観ている父。 理由は、のちに明らかになっていく。 そこに現れる、モンゴメリー・クリフト扮するハンサムで積極的な青年。

女相続人.jpeg
女相続人 (2).jpeg

オリヴィア、モンティ、父親に扮する ラルフ・リチャードソンの完璧すぎる配役。 殊にオリヴィアはまさに水を得た魚のようにこの役を演じ込む。 『風と共に去りぬ』(’39)のメラニー役のあとに本作を観ると、総毛だつ。 女優ってこわいなあ・・・  そして、オスカー受賞と相成る。

初めて観たときは、結末に衝撃を受けた。 現代なら当然すぎるくらいだが、いくら原作ものとはいえ、 この時代のハリウッド映画らしからぬエンディングであるから。 鏡を活かしたファースト・シーンとラスト・シーンも忘れ難い。 ひとの心が鏡に映ったなら、どれほどの涙が救われるだろうか。

閲覧数:4回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page