大橋美加のシネマフル・デイズ
1939年 アメリカ映画 ジョージ・マーシャル監督
(Destry Rides Again)
古今東西に於いて、マレーネ・ディートリッヒほど
強烈な個性を放った女優もいないだろう。
2020年春にスタートし261作目となる
”大橋美加のシネマフル・デイズ”だが、
マレーネが出演した映画といえば、
”ク”の項で紹介した『黒い罠』(’58)くらいだろうか。
バイ・プレイヤーに設えると、主役の影が薄くなる女優!
マレーネに対抗できる男優は?
骨っぽさ、インテリジェンス、
セックス・アピール、うう~ん、難しい。
そこで登場する本作のジェームズ・スチュワートでキマリ!
純情で生真面目、そして礼儀正しいオトコは、悪女にどう対峙する!?
邦題より、オリジナル・タイトルに注目せよ!
西部劇ゆえ砂埃はあるとしても、まずはドンパチ雨あられ。
荒くれ者がのさばる町にやってくるジミー扮するトム・デストリー。
嘗て背中から撃たれて亡くなった保安官の息子であり、
銃を持たない温厚な青年。
荒くれ者たちは「銃なしの保安官か!」と大笑い、
さて”Tom Destry”が如何に
カムバック(ride again)となるのかは、観てのお楽しみ・・・
マレーネは酒場の歌手に扮し、ドレスから男装までとり揃え、
女同士の取っ組み合いでは、自慢の脚線美もあらわに大奮闘を見せる。
もちろん、いちばん美味しい役には違いないが、
ジミーのキャラクターありきの脚本により、味わい深い一作品となっている。
キスして欲しいとき、口紅を手で拭うのが悪女のマナー!
ああ、マレーネ、婀娜っぽい・・・
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