1955年 アメリカ映画 ジーン・ネグレスコ監督
(Daddy Long Legs)
フレッド・アステアのタップ・ダンシングを観ると心が躍る。 実はよく、タップを踏んでいる夢をみるのだ。
夢のなかでは難なく脚が動き、かっこよく踊っているのだが、 醒めれば、はい、それまでよ~!
長女の瑠奈が5歳から15歳までタップを踏んでいたため、 レッスンやステージはイヤというほど観てきたからだろうが、
何ともチャイルディッシュな夢としか言いようもない。
ジーン・ウエブスターの児童文学を、 ネグレスコ監督がミュージカル化した本作を観たことがない人でも、
アステアと”足ながおじさん”を結びつけるはず。 身長はハリウッドでは低いほうだが、 長い脚と優雅な身のこなしはピカ一!
劇中でもカレッジのダンス・パーティのなかで若者たちを差し置き、 喝采を受けて踊る見せ場がある!
主人公ジュリーに扮するレスリー・キャロンは、 ジーン・ケリーに見い出され『巴里のアメリカ人』で映画デビューした バレエ・ダンサー。
親しみやすい風貌と父方の母国語であるフランス語も堪能であり、 ’50年代ハリウッド・ミュージカルで重宝された。
若いころから、ちょっと”小母さん的”な面差しであったことが幸いしたのか、 踊らずとも役者としてキャリアを積んでいる。
そう、ルイ・マル監督『ダメージ』での ジュリエット・ビノシュの母役など、イイ味を出していたなあ・・・
ハイライトは何といっても、高級ホテルのバルコニーで、 アステアがキャロンに歌いかける”Something’s Gotta Give”
名作詞家として知られるジョニー・マーサーが作詞作曲した、 粋な歌詞を持つジャズソングである。
そういえば、美加も20代で初のニューヨーク録音の際、 この曲をヘレン・メリルの子息である アラン・メリルとデュエットした想い出もあったっけ。
大富豪の”足ながおじさん”とは出会えなかったけれど!
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