top of page

No.31『赤い風車』

更新日:2023年6月7日

1952年 イギリス映画 ジョン・ヒューストン監督 (Moulin Rouge)

アートだいすきゆえ、画家の伝記的映画はすべて観ているつもり。

なかでも本作は特異かも。映画まるごとロートレックの絵! 『ムーラン・ルージュ』の踊り子たち、

ミュージシャンたちを描いたタイトル・バックに、 テーマソングが流れる。 1890年パリ。山高帽にたっぷりと髭を蓄え、 コニャックをがぶ飲みしながら、 カンカンのダンサーたちを描いてゆくロートレックの姿。 画面の色合い全体がロートレックの絵をイメージして作られ、 まるでロートレック本人が 自分の描いた絵のなかにいるように見える!

伯爵家出自の父母が従兄妹婚であったため、 少年時代に骨折した脚の骨がつかず、 脚の成長が止まってしまったというロートレック。 演じたホセ・ファーラー(フェラー)は膝で歩いたという。 彼は父親役と二役を演じ、二度目のオスカー・ノミニーとなった。 画力の自尊と容貌のひけ目からか、他人に浴びせる台詞が多く、 舞台でも実力を発揮してきたファーラーの美声が活かされている。

赤い風車.jpg

赤い風車②.jpg

ポスターを”アート”の域に押し上げたロートレック、 印刷所で自ら色を調合するシーンなどもあり。 父の伯爵は、息子の絵がルーブル美術館に飾られると決まり 漸く心を動かすが、時すでに遅し・・・ 哀感に満ちた幻想的なラストは忘れ難い。

美しいメロディのテーマソング『ムーラン・ルージュの歌』、 ジャズ系シンガーのヴァージョンはあまり聞かない。 ファーラーの三番目の妻であったローズマリー・クルーニーは ジャズソングからポップスまで歌いこなす歌手であり、 手持ちのアルバムもかなりあるが、この曲は思い当たらない。 時間があるうちに譜面を作って自分で歌うかな!

閲覧数:1回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page