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No.269『殺人狂時代』

更新日:2023年3月25日

大橋美加のシネマフル・デイズ

1947年 アメリカ映画 チャールズ・チャップリン監督

(Monsieur Verdoux)

「1人を殺せば殺人者、100万人を殺せば英雄か?」

有名なチャップリンの台詞だが、果たして本作で彼が言いたかったことは?

雑然とした居間が映し出され、小母さんたちが小言をいい、

若めの男はソファに寝そべったり、食卓で文句を言ったり。

観客が「此処は誰の家?」と思い始めるころ、一枚の写真がクロース・アップとなる。

ベレー帽にチョビ髭ですまし顔の中年男、チャップリン扮するムッシュ・ヴェルドゥである。

おきまり”TRAMP“の出で立ちではないチャップリン!


金持ちの中年女性を狙う詐欺師ヴェルドゥ。

チャップリン作品でありながらスラプスティック要素が軽減され

観客が不安になるあたりで登場するのが、豪快なコメディエンヌのマーサ・レイ。

ヴェルドゥにはゾッコンらしいが、大声でゲタゲタ笑い、まわりを煙に巻く未亡人。

生命力にあふれ、殺しても死なないような(笑)女性!

彼女の存在により、シリアスなストーリーにストレートな笑いがもたらされ、観客はほっとする。

何故なら、観客はチャップリン扮するヴェルドゥに、

これ以上殺人を犯して欲しくないから。

キャスティングも演出もうますぎる!


貧困の生む悲劇、戦争という巨悪はわかりきっていながら、人間は翻弄されてゆく。

ヴェルドゥが往きあう若い未亡人に扮したマリリン・ナッシュの徒花の如き美しさも忘れ難い。

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