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No.259『殺人に関する短いフィルム』

更新日:2023年3月25日

大橋美加のシネマフル・デイズ

1988年 ポーランド映画 クシシュトフ・キエシェロフスキ監督

( A Short Film About Killing )

澱んだ色、歪んだ画面。

鼠の死骸が浮いた水たまりを映し出す

緑色がかったファースト・ショットは忘れようがない。

これから見せられるドラマを否が応でも推測してしまう滑り出し。

街をふらつく荒んだ顔つきの若い男。

身勝手そうな巨体のタクシー運転手。

晴れて法律家となり希望に満ちている男。

向き合うことはないであろう三つの人生が皮肉に接近する。




人が人の命を奪うという行為の恐ろしさ、おぞましさを、

理由を提示せずにこれでもかと叩きつける、

演出とは割り切れないほどのショッキングな描写。

あっという間に人生を駆け抜けたクシシュトフ・キェシロフスキ。

54歳の死は早すぎる。

彼が愛と死の継ぎ目に打ち込んだ楔に、

我々映画ファンは手が出せないままである。

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