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No.15『暗殺の森』

更新日:2023年6月7日

1970年 伊・仏・独 合作映画 ベルナルド・ベルトルッチ監督 (Il conformista)

ベルトルッチが『ラスト・エンペラー』(1987)でオスカー9部門に輝き、 ”巨匠”と呼ばれるようになったころ、

淀川長治先生がこんなことを宣った。 「ベルトルッチは”巨匠”じゃないのね、 本当にほんとうに映画が好きで好きでたまらない人たちが こっそり観るような、そんな映画を作る人だったはずなのね」さすが、 大先生!一言もありません!

『暗殺の森』は、六本木『シネ・ヴィヴァン』で公開時に、 ひとりでこっそり観た。シナリオが採録された劇場用パンフを

今回、観なおすために取り出したが、このシリーズ、お宝! しっかり倅に受け継いで貰わないと!

暗殺の森②.jpg

暗殺の森.jpg

舞台となるのは、ファシスト支配下のローマとパリ。 ジャン・ルイ・トランティニャンが演じる主人公は心に傷を持つインテリ。

原題の”順応主義者”として、暗殺者への道を進むこととなる。 絡む二人の女性はブルネットのステファニア・サンドレッリと ブロンドのドミニク・サンダ(19歳にして退廃的な色香!)

時間と空間を自由に操り、観客の感性を煽る映画話法、 ワン・シーン、ワン・シーンをアートたらしめるセンス、

そして、ベルトルッチが好んだ ダンス・シーンの官能性・・・久々に酔いしれた!

過去は消せない。だから、”順応”するなら、未来のために。

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