1970年 伊・仏・独 合作映画 ベルナルド・ベルトルッチ監督
(Il conformista)
ベルトルッチが『ラスト・エンペラー』(1987)でオスカー9部門に輝き、 ”巨匠”と呼ばれるようになったころ、
淀川長治先生がこんなことを宣った。 「ベルトルッチは”巨匠”じゃないのね、 本当にほんとうに映画が好きで好きでたまらない人たちが こっそり観るような、そんな映画を作る人だったはずなのね」さすが、 大先生!一言もありません!
『暗殺の森』は、六本木『シネ・ヴィヴァン』で公開時に、 ひとりでこっそり観た。シナリオが採録された劇場用パンフを
今回、観なおすために取り出したが、このシリーズ、お宝! しっかり倅に受け継いで貰わないと!
舞台となるのは、ファシスト支配下のローマとパリ。 ジャン・ルイ・トランティニャンが演じる主人公は心に傷を持つインテリ。
原題の”順応主義者”として、暗殺者への道を進むこととなる。 絡む二人の女性はブルネットのステファニア・サンドレッリと ブロンドのドミニク・サンダ(19歳にして退廃的な色香!)
時間と空間を自由に操り、観客の感性を煽る映画話法、 ワン・シーン、ワン・シーンをアートたらしめるセンス、
そして、ベルトルッチが好んだ ダンス・シーンの官能性・・・久々に酔いしれた!
過去は消せない。だから、”順応”するなら、未来のために。
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