1934年 アメリカ映画 フランク・キャプラ監督
(It Happened One Night)
フランク・キャプラと言えば、ゲイリー・クーパー、 ジェイムス・スチュアート主演作品がご贔屓。
でもでも、”ア”から始まるし、古いのはこれかな。 “スクリューボール・コメディ”の元祖だものねえ。
クラーク・ゲイブルとクローデット・コルベール主演の本作、 忘れもしない、娘時代に地元・中野の名画座で観た。
二本立てで、もう一作は『歴史は夜作られる』 (’37)だったっけ。 懐かしいなあ・・・
大富豪の令嬢が父親に反発し逃走、 アウトローを気取る新聞記者と往きあう。 当然、相容れないふたり。
興味深いのは、記者役のクラーク・ゲイブルと、 令嬢役クローデット・コルベールが殆ど年齢が違わないこと。
コルベールは一応この時代のヒロインに似つかわしく “VIRGIN”の役であるが、30歳を超えた実年齢、 渋いアルト声などなど、“かわいこちゃんタイプ”でないところがいい。
主人公ふたりのキス・シーンすらないラヴ・コメディ。 恋の媚薬はじらすことだから、結構じゃないですか!
他人のラヴ・シーンを見ても面白くも何ともない、
二人の想いの高まりが感じられる演出のほうが、むしろエロティック。
映画がトーキーに変わり、さほどの年月のない時期に、 これほど台詞メインの作品を作り、オスカー主要5部門 (作品・監督・主演男優・主演女優・脚色)を受賞したことは快挙。
ドーナッツをコーヒーに浸ける食べかたを ゲイブルが教えるシーンはケッサクよね!
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