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No.35『或る夜の出来事』

更新日:2023年6月7日

1934年 アメリカ映画 フランク・キャプラ監督 (It Happened One Night)

フランク・キャプラと言えば、ゲイリー・クーパー、 ジェイムス・スチュアート主演作品がご贔屓。

でもでも、”ア”から始まるし、古いのはこれかな。 “スクリューボール・コメディ”の元祖だものねえ。

クラーク・ゲイブルとクローデット・コルベール主演の本作、 忘れもしない、娘時代に地元・中野の名画座で観た。

二本立てで、もう一作は『歴史は夜作られる』 (’37)だったっけ。 懐かしいなあ・・・


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大富豪の令嬢が父親に反発し逃走、 アウトローを気取る新聞記者と往きあう。 当然、相容れないふたり。

興味深いのは、記者役のクラーク・ゲイブルと、 令嬢役クローデット・コルベールが殆ど年齢が違わないこと。

コルベールは一応この時代のヒロインに似つかわしく “VIRGIN”の役であるが、30歳を超えた実年齢、 渋いアルト声などなど、“かわいこちゃんタイプ”でないところがいい。

主人公ふたりのキス・シーンすらないラヴ・コメディ。 恋の媚薬はじらすことだから、結構じゃないですか!

他人のラヴ・シーンを見ても面白くも何ともない、 二人の想いの高まりが感じられる演出のほうが、むしろエロティック。

映画がトーキーに変わり、さほどの年月のない時期に、 これほど台詞メインの作品を作り、オスカー主要5部門 (作品・監督・主演男優・主演女優・脚色)を受賞したことは快挙。

ドーナッツをコーヒーに浸ける食べかたを ゲイブルが教えるシーンはケッサクよね!

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