1973年 アメリカ映画 クリント・イーストウッド監督
(Breezy)
初監督作『恐怖のメロディ』(’71)で女ストーカーの走り的キャラクター (『危険な情事』は二番煎じ!)を描いたイーストウッドが、
オスカー作品『許されざる者』(’92)に繋がってゆく キャラクターを自ら演じた 『荒野のストレンジャー』(’73)の次に発表した、 年の差カップルの恋愛劇。 イーストウッド作品中、かなりの異色作。
自ら出演せず(カメオ出演のみ)、 監督に徹するのも初めてのこと。
ウイリアム・ホールデン扮する裕福なバツイチ男が、 ケイ・レンツ扮するヒッピー風の若い娘”BREEZY”と出逢い、 多少の寄り道を経て恋愛関係になる。
ホールデンは名だたる名匠たちの大作に主演してきた俳優であり、 マカロニ・ウエスタンからダーティ・ハリーに変貌を遂げて間のない 当時のイーストウッドから見れば、大先輩の大スター。 55歳にして随分と老けてみえるホールデンと、
撮影当時20歳そこそこであったレンツは、 欲目にも恋人同士には見えないため、意外性としてはGOOD!
自身が演じなかったイーストウッドの作戦成功か。
ふんふん、少年顔のレンツは後にイーストウッドが 『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)に抜擢する ヒラリー・スワンクに良く似ている。
年かさ男の1年と若い娘の1年、 それぞれの歩数の違いを巧みに表現したラストの台詞が心に残る。
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