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No.264『山椒大夫』

更新日:2023年3月25日

大橋美加のシネマフル・デイズ 1954年 日本映画 溝口健二監督

溝口作品に接すると、日本人に立ちかえる。

殊に説話を題材にした物語には、いにしえの日本人の生き様が心に迫りくる。

安寿と厨子王の物語は小学生のころに読んだと記憶しているが、

本作は森鴎外の小説を下敷きとした作品。

位のある一家が悪人の仕業により奴隷として売られ、

酷い生活を強いられる理不尽が、これでもかと描かれる。



本作に於ける“悪”は、進藤英太郎が扮する、

山椒大夫と呼ばれる大地主に代表される。

進藤はお世辞にも美男とは言えない面構えだが、

聴き応えのある声と迫力で、この鬼のような地主を演じきる。

悪役に印象が深いが、頑固なオヤジさん役までこなした人。

こういう役者、今はいないよなあ…


香川京子の凛とした佇まい、哀れの極みを表現する田中絹代。

やはり溝口作品は女優でキマる!


漸く辿りついたラストシーンにも浄化されない無念が、

画面から漂い出てくるようだ。

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