大橋美加のシネマフル・デイズ
1948年 アメリカ映画 ジョン・フォード監督
(3Godfathers)
ジョン・フォード作品に凝った時期があり、西部劇もたくさん観たが、
ジョン・ウェインをどうも好きになれなかった。
身体の大きさも虚像っぽくて、真に強いオトコに見えない。
ブーツの踵、6~7センチありそうだし(笑)
女性との絡みもサマにならず、全く惹かれる部分がなかったのだ。
本作は異色の西部劇と呼べるだろう。
ウェイン演じるボブ、メキシコ人ペドロと年若いキッドはならず者3人組。
灼熱の砂漠に逃走し、幌馬車のなかに残された妊婦と往き合う。
初産にしては老けて見える妊婦はフォード組のミルドレッド・ナトウィック。
赤ん坊を取り上げてからの珍道中にはペイソスがあふれる。
ジョン・ウェインはご婦人より赤ちゃんを抱くほうが味が出るよねえ!
ならず者の裁判を酒場のカウンター越しに行なうシチュエイションも和むしかない。
”西部劇”の括りより、ハリウッド産の数あるクリスマス・ファンタジーに加えるべき一篇。
ちなみに、コリーヌ・セローが大ヒット作『赤ちゃんに乾杯!』(’85)を
本作を参考にしたと唱える説は多いようだが、ちょっと怪しいかな・・・。
比べて鑑賞するのは映画ファンの愉しみと信じますが。
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