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No.268『サン・スーシの女』

更新日:2023年3月25日

大橋美加のシネマフル・デイズ

1982年 仏・西独 合作映画 ジャック・ルーフィオ監督

(La Passente du Sans Souci)

ロミー・シュナイダーの笑顔には哀しみが宿っている。

だから、ひとの心を打つのだろうか。

殊に43歳で亡くなった彼女の遺作である本作は、

波乱と悲哀に彩られた人生そのものが表情にあふれ、

涙を超えた感動をもたらす。

ミシェル・ピッコリ扮する初老の人権擁護組合会長マックスの妻リナと、

回想シーンの養母エルザの二役を演じきったロミー。

初めて本作を観たのは20代の頃で、ナチスの残虐さ、卑劣さに打ちのめされた。

人種間の争いはすべて、人間の最もみにくい本性を暴きだす。

尊厳を捨ててまで愛する人を助けようとする女を、これでもかと踏みにじる。

苦悩を押し隠し、きらめくドレスを纏うエルザに、

12歳のマックスがヴァイオリンを弾いて聴かせる愛らしいシーン。

利発そうなつぶらな瞳をもつ子役ウェンデリン・ウェルナーは

悲劇のなかに芽吹く若葉のような存在。

どんな役者に成長したのかと調べたところ、なんと数学者になっていた。

眼鏡をかけているが、確かに同じ顔!おまけに大人になっても童顔!


もう一度観たいと、ずっと想い続けていた本作のDVDは、

長年、美加の歌を聴きにきてくださる名古屋のS.N.氏が先月プレゼントしてくれた。

手持ちはVHSだけであったので、本当にほんとうに、嬉しい。

名画を心で共有できること、これ以上の関係があるかしら。感謝!

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