大橋美加のシネマフル・デイズ
1950年 アメリカ映画 ビリー・ワイルダー監督 (Sunset Boulevard)
死者のナレーションで綴られてゆく、サスペンスフルな異色の愛憎劇。
お世話になった淀川長治先生お気に入りの一作だったと記憶する。
とにかく、グロリア・スワンソンが凄すぎる。
セルフ・パロディとも受け取られて当然の、
”忘れられたサイレント・スター”という役柄を、
ホラー映画も顔負けの表情で演じきったのだから。
おまけにチャップリンの物真似まで!コワくて可笑しく、そして哀しい。
ジゴロまがいの存在に陥ってゆく 売れない脚本家にはウイリアム・ホールデン。
今回、何十年ぶりかで観なおし、
この役はある程度の色男なら誰でも良いかなあと感じた。
そうはいかないのが、執事に扮したエリッヒ・フォン・シュトロハイム!
いわくつきの役にふさわしい極めつけの怪演を見せる。
執着が妄想を産み出し、犯罪に流れ着く。
言葉では言い捨てられない人間の業を見せつける
ノーマ・デズモンドに取り憑かれたら、シネマ・インフェルノの入り口だ!
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