大橋美加のシネマフル・デイズ
2004年 フランス映画 エンキ・ビラル監督
(Immortel,ad vitam)
ある作品のレセプションで一度だけお会いした シャーロット・ランプリングの
出演作ということで観た一作。 常に気にしてきた女優であるから。
超異色SF、エロティック、グロテスク、ゴシックと 何拍子もひしめき合う異様さ。
すべてがちぐはぐで、噛み合わない感覚。
舞台となるのは2095年ニューヨーク。
青い髪と白い肌をもつ若い娘ジル、 彼女を診察する女医、
冷凍から目覚めた30年前の政治犯、 そして鷹頭人体神ホルス。
色彩のないカラー作品というイメージは、 ”イ”の項で紹介した『1984』(’84)とも重なる部分あり。
されど本作はバンド・デシネが原作ゆえ、 アニメと実写が入り混じる。
名作・傑作とは確実に異なるが、 イメージが脳裏にこびりついて離れない。
自作の映画化を手がけた エンキ・ビラルの洗脳力とでも言うべきか。
シャーロット・ランプリングの 冷たい美しさは従来どおり!
眠れない夜に観てみるのも一興かも?
バンド・デシネと映画との融合は アラン・レネ監督遺作『愛して飲んで歌って』(2014)にも見られるが、
本作のダークな印象とは正反対の、カラフルな作品である。
漫画と映像の組み合わせと言ってもさまざま。
もっと探してみたくなる!
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