大橋美加のシネマフル・デイズ
1975年 アメリカ映画 フランシス=フォード・コッポラ監督
(The Godfather PartⅡ)
たぶん、映画の”PARTⅡ”を観たのは本作が初めてではないか。
馬の首や銃音が飛び交う前作は、ほんの小娘には怖すぎた。
この始まりでなければ、”PARTⅡ”を観ることはなかっただろうな・・・
土の香りがしてくるようなシチリアの風景。
ヴィトー・コルレオーネの幼き姿と、 置かれた立場が映し出される。
マーロン・ブランドーが演じきった ヴィトーというゴッドファーザーが
どのように生まれたのかが、語られてゆくのである。
1901~1925年を舞台に、若きヴィトーに扮する ロバート・デ・ニーロが素晴らしい。
本作でオスカー(助演男優賞)を受賞し一気に注目され、 スターへの道を歩み出すことに。
「笑っていても眼がコワい」面差しは当時から確立されている!
交錯して描かれる、アル・パチーノ扮する三男マイケルが
ゴッド・ファーザーとなった1950年代の場面。
親の後を継ぐことは容易に見えて、 公私ともに進退窮まってゆくマイケル。
セピアに染まるヴィトーのエピソード。
ゴードン・ウィリスが創り出す闇と 影に落ち込んでゆくマイケルのエピソード。
そしてかの、幻のリユニオンへとなだれ込む。
ひとには家族があるが、 ひとはみな孤独でもあることを、 教えてくれる大作である。
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