大橋美加のシネマフル・デイズ
1972年 アメリカ映画 フランシス・フォード・コッポラ監督
(The Godfather)
ゴードン・ウィリスの創り出すルック。
マーロン・ブランドーの化けっぷり。
何回観ても、感心する。
軽薄で直情型の長男ソニーより、
知的で冷静な三男マイケルが冷酷に見える。
何回観ても、同じ感慨。
トム・ヘイゲンは本当は何者なのか?
今回、観かえして感じた。
何故だろう?コルレオーネ・ファミリーが自分の家族みたいに見えてくる。
住んだことのない国、つき合ったことのないイタリアン・マフィアの物語であるのに。
とりも直さず、これは”家族”の物語であるからだろう。
ひとは逃げられる。どんなものからも。
でも、血を分けた家族からは逃げられない。
重体のヴィトーがマイケルに流す、ひとすじの涙。
クリスマスの電飾が施された病院のシーンは、
何回観ても涙を禁じ得ない。
本作は殺戮の物語ではない。
ひとが生きかたを決める物語なのだと思う。
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