1965年 フランス・イタリア合作映画 ジャン=リュック・ゴダール監督 ( Alphaville, une étrange aventure de Lemmy Caution)
ゴダールは人を食っている。 ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家のなかでも、 とりわけ実験的な作風を貫いてきた。 本作では、パリ市街のモノクローム撮影のみでありながら、 なんと”SF映画”と謳い、観客を煙に巻く。 騙されたと思ってご覧あれ。不安感を煽る効果音と、 もっともらしいナレーションにより、 「そうか、ここは星雲都市アルファヴィルか・・・」と 思わざるを得ない。
主人公の諜報員に扮するのは睨みの利いた
エディ・コンスタンティーヌ。
彼の当たり役”レミー・コーション”が
本作での名前にもなっている遊び心。
吸い込まれそうな大きな瞳のアンナ・カリーナが人形のように対峙する。
当時はまだゴダール夫人だったか。昨年亡くなってしまった。
ひとこと添えたい。”シネマフル・デイズ”①で
想い出を語ったばかりの大林宣彦監督が
新作『海辺の映画館 キネマの玉手箱』の公開を見ずに
逝ってしまわれた。
「映画はつくりもの。だからこそ、
人に信じてもらわないといけないんだよ」というお言葉が心をよぎる。
想像力は人間の特権。
あなたも”星雲都市アルファヴィル”で愛を見つけて!
Commenti