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No.5『アルファヴィル』

更新日:2023年4月12日

1965年 フランス・イタリア合作映画  ジャン=リュック・ゴダール監督 ( Alphaville, une étrange aventure de Lemmy Caution)

ゴダールは人を食っている。 ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家のなかでも、 とりわけ実験的な作風を貫いてきた。 本作では、パリ市街のモノクローム撮影のみでありながら、 なんと”SF映画”と謳い、観客を煙に巻く。 騙されたと思ってご覧あれ。不安感を煽る効果音と、 もっともらしいナレーションにより、 「そうか、ここは星雲都市アルファヴィルか・・・」と 思わざるを得ない。

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主人公の諜報員に扮するのは睨みの利いた エディ・コンスタンティーヌ。 彼の当たり役”レミー・コーション”が 本作での名前にもなっている遊び心。 吸い込まれそうな大きな瞳のアンナ・カリーナが人形のように対峙する。 当時はまだゴダール夫人だったか。昨年亡くなってしまった。

ひとこと添えたい。”シネマフル・デイズ”①で 想い出を語ったばかりの大林宣彦監督が 新作『海辺の映画館 キネマの玉手箱』の公開を見ずに 逝ってしまわれた。 「映画はつくりもの。だからこそ、 人に信じてもらわないといけないんだよ」というお言葉が心をよぎる。 想像力は人間の特権。 あなたも”星雲都市アルファヴィル”で愛を見つけて!

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