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No.12『アリスの恋』

更新日:2023年6月7日

1974年 アメリカ映画 マーティン・スコセッシ監督 (ALICE DOESN’T LIVE HERE ANYMORE)

ロード・ムーヴィーは、たとえ救いのない物語でも爽快感を伴う。 不幸を抱えて定住しているよりはマシと思えるからだろうか。

スコセッシの初期の作品である本作の主人公アリスも、 真の人生を求めてさすらう女性。

女性のロード・ムーヴィーの先駆け、 ひいては”女性映画”の先駆けではないか。 貴重な一作と言える。

あたかも『オズの魔法使』(1939)の ジュディ・ガーランドのパロディ風ファースト・ショット、ジャズソング ”You’ll Never Know”を口ずさむ少女が登場する。 これは、シニカルな内容の映画に違いないと、早々に予感させる。


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大人になったアリスに扮するのは演技派エレン・バースティン。 11歳の一人息子トミーを抱え、少女時代の夢を叶えるべく奔走と相成る。

エレンの弾き語りで、古いジャズソングがいくつも流れる。 ”Where or When~When Your Lover Has Gone~Gone with the Wind”の

しりとりメドレーなどなど。 口の減らないトミーと頼りない母アリスとの丁々発止も、 笑える冷や汗ものだが、スコセッシ組であるハーヴェイ・カイテル、 撮影当時11歳くらいのジョディ・フォスターも並々ならぬ存在感を示す。

本作で監督に気に入られ、『タクシー・ドライバー』(1976)の 少女娼婦役でブレイクすることになる。

エレンは本作でオスカー(主演女優賞)を獲得。

テーマソングとして使われた ハリー・ウォーレン作曲、マック・ゴードン作詞の ”You’ll Never Know”は、

近年ではギレルモ・デル・トロ監督のオスカー作品 『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)の愛のテーマとしても使われた、 永遠のトーチ・ソングである。

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