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No.7『アラバマ物語』

更新日:2023年4月12日

1962年 アメリカ映画 ロバート・マリガン監督 『アラバマ物語』 (To Kill A Mockingbird)

想い出は色がなくても美しい。 子どもの鼻歌が聞こえ、小箱の蓋を開ける小さな手。

コイン、ビー玉、懐中時計、木彫りの人形などなどが入った箱の俯瞰。

クレヨンで紙に落書きしてゆくと、文字が浮き上がる。 TO KILL A MOCKINGBIRD

何て素敵なファースト・ショットだろう! 何度観ても飽きないどころか、もう一度観たくなる。

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舞台となるのは1932年アラバマ州の小さな町。 画面に飛び込んでくるショート・ヘアにオーヴァーオール姿の ”スカウト”と呼ばれる6歳の少女。

2歳で母を亡くし、弁護士である父と 10歳の兄ジェムと暮らす、おてんば娘らしい登場の仕方。

根強い人種差別の残る田舎町で、 黒人青年の弁護を引き受けることとなる 父アティカスを演じるのは、グレゴリー・ペック。

幼い子らの疑問・質問に、常に穏やかにわかりやすく 諭していくアティカス。 この名前は、”スーパーマン”も敵わないヒーローの名。

ああ、アティカスの膝で眠りたい!

モノクロームの映像はノスタルジック且つ幻想的、 本作を観れば、二度と戻れない子ども時代に、いつでも戻れる。

世の中は思い通りにはいかないが、 「常に相手の立場で考えるように、ものまね鳥を殺してはいけない」

そうね、アティカス、皆がそうできたらね・・・

少なくとも5回は観ている作品だけれど、 自粛の日々にまた観なおして良かったなあ。

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