1967年 イタリア映画 ピエル・パオロ・パゾリーニ監督 (Edipo Re) ギリシャ神話のオイディプスの物語を、 パゾリーニ監督が独自の表現で 映画化した衝撃作。 他に類のない此の映画作家による、 圧倒的な映像美・美術・衣裳すべてが、 後世の映画人たちに 多大な影響を与えている。
窓のなか、奥の寝台で白い両脚を広げる女性。 取り出される赤子。 まるで覗き見するかのように、観客は映画に惹き込まれる。 説明を排除し、ただただ、見せていくパゾリーニ。 脚本家・詩人・作家の名も持ちながら、 映画に於いては語ることを控え、見せていく。
「父を殺し、母と通じる」と予言されたオイディプスに扮するのは 眼光が印象的なフランコ・チッティ。
スター女優のシルヴァーナ・マンガーノ、アリダ・ヴァリが存在感を示す。
不意に時空を超えたかと思えば、登場人物が舞台劇のようにカメラ目線で語りかける演出。
木々、空、土埃が迫り、時の流れなど何も変えることはできないと、 突きつけられている気がする。
片時も目を離さず、タイム・スリップして欲しい。
Comments