1982年 アメリカ映画 ジョン・ヒューストン監督
(Annie)
ブロードウェイ・ミュージカルの映画化には 常に賛否両論があって然るべき。
目の当たりにする舞台の臨場感と、 映像でしか見られないシーンは異なる性質のものであるから。
では、舞台劇の映画化の勝因とは?それはやはり、 役者の”顔”に尽きない。
アニーに扮したアイリーン・クイン(1971生) の”顔”はキョーレツ! 数えきれないソバカス、少し離れたまんまるな眼、大きな口を開けて笑い転げる表情。 お世辞にも愛らしいとは言えないし、ジェンダーを超えている!
キャスティング係はよくぞ、アイリーンを選んだと感心。 この子の顔をクロース・アップで観て、 笑みがこぼれない人はいないもの!
歌えてタップもなかなかのアイリーン、 本作後も舞台俳優として活動を続けることになる。
大恐慌後1933年のニューヨーク。誰もが仕事を失い、 夢を持てず、生きるのが精一杯の時代。
アニーが暮らす市立孤児院の院長は アル中で男好きのミス・ハニガン。 演じるのは名コメディエンヌ、キャロル・バーネット。 さすがの大熱演!
大富豪ウォーバックにアルバート・フィニー、 秘書グレースにボブ・フォッシー夫人でもあった アン・ラインキングと豪華な顔ぶれ。
本作に於けるアニーは、アイリーンのキャラクターに救われ、 いわゆる「こましゃくれた」印象が無い。
2020年のこの時世を乗り越える、少しの活性剤になるかと思うのだけれど・・・
Comments