1972年 西ドイツ映画 ヴェルナー・ヘルツォーク監督『アギーレ/神の怒り』
(Aguirre,the Wrath of God)
意識が遠のく。幻が見える。 いや、あの樹の上の船は現実なのか・・・? 人間の欲はこれほどまでか。 どんな犠牲を払っても、黄金郷に辿り着きたいのか・・・ ”ニュー・ジャーマン・シネマ”は 我々映画ファンに新しい世界を見せてくれた。 なかでも、未知の世界にいざなってくれたのがヘルツォークだろうか。

1560年、黄金郷エル・ドラドをめざし、 アマゾンの奥地を往くスペインの征服者たち。 あふれかえる緑、どよめく砂色の波、頼りなげな筏の上で、 インディオの毒矢に倒れていくひとり、またひとり。 狂気と化していく主人公アギーレに扮したクラウス・キンスキーは、 ヘルツォークとは縁の深い、名実ともに”怪優”である。 景観の深さ、人間のおそろしさ、何が救いになるのか、 この機会に知って欲しいヘルツォーク・ワールド! 撮影スタッフ、命知らずか?
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